腰が痛い
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
この病気になると長い距離を続けて歩くことができません。前かがみになって休憩すると症状が治まります。このように、歩行と休息を繰り返す間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴です。腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありません。また、朝や寒い季節に症状が出やすいという特徴があります。
症状
- 長い距離を歩くことができないが、前かがみで休憩するとまた歩ける
- 背筋を伸ばして立ったり、歩いたりすると、太腿や膝から下にしびれを感じる
- 筋力低下
治療
- 内服薬:
- 抗炎症薬、神経痛を和らげる薬、血管拡張薬を処方します
- 装具:
- コルセットを処方します
- 注射:
- 痛みを抑える効果があります
- 手術:
- 保存療法で効果が出ないときに検討します
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)
高齢者よりも20代から40代にかけて、比較的若い男性に多い病気です。前かがみや中腰の姿勢を長時間続けたり、重たい物を急に持ち上げたりしたときなどに発症する危険性があります。激しい痛みを伴う急性型であっても、時間の経過とともに症状は軽くなっていきますが、慢性化する前に受診することが重要です。
症状
- 腰痛
- 太ももから膝や足にかけて痛みやしびれがある
- 筋力低下
- 膀胱直腸障害
治療
- 装具:
- 痛みが強いときはコルセットをつけて安静にします
- 内服薬:
- 抗炎症薬を処方します
- 注射:
- 痛みを抑える効果があります
- リハビリ:
- 筋力効果や関節負担を軽減し痛みを抑える効果があります
- 手術:
- 保存療法で効果が出ないときに検討します
仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)
骨盤は、仙骨の左右を腸骨という骨が挟む形をしています。これらのつなぎ目に当たる部分を「仙腸関節」と呼びます。仙腸関節は脚と身体をつなぐ重要な関節で、上半身の重さや地面から衝撃を受け止めるために、固い靭帯で幾重にも覆われています。中腰での作業や不用意な動作、繰り返しの負荷で、関節に微小な不具合が生じて痛みが発生します。
症状
- 骨盤の出っ張っているところに痛みがある
- 腰痛、殿部痛、鼠径部痛
- 長く座っていることがつらい、痛い方を下にして寝られない、動き始めに痛みがある
治療
- 装具:
- 骨盤ベルト、コルセットを処方します
- 内服:
- 抗炎症薬を処方します
- 注射:
- 痛みを抑える効果があります
- リハビリ:
- 仙腸関節の安定性を高める筋肉のトレーニングをします
- 手術:
- 保存療法で効果が出ないときに検討します
脊椎椎体骨折(せきついついたいこっせつ)
上下方向からの力が加わって生じる背骨の骨折です。年齢とともに骨がもろくなり、尻もちをつくなどの軽微な衝撃で椎体がつぶれる場合や、加齢とともに徐々に体の重みを支えきれずに椎体がつぶれてしまうことがあります。閉経後の女性に多く、骨粗しょう症も原因の一つと言われています。
症状
- 背部・腰に強い痛みがある
治療
- 内服:
- 抗炎症薬を処方します
- 装具:
- コルセットを処方します
脊椎圧迫骨折や偽関節のベースには、骨粗しょう症があるため、骨粗しょう症について診断・治療を行う事がこの病気の予防・治療に重要です。
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