首が痛い

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)

頚椎症性神経根症イメージ

加齢による椎間板の膨隆や骨棘の形成などの変化によって、神経根が圧迫されたり刺激されることで発症します。遠近両用眼鏡でパソコン画面を見るときに首を反らせることなども原因となります。

症状

  • 首をそらすと痛みがでる
  • 肩甲骨や上肢のしびれがある
  • 上肢に感覚異常・知覚障害がある
  • 痛みは軽いものから耐えられない程度まで様々

治療

内服薬:
痛みや炎症を抑えます
リハビリ:
ハイボルテージ治療器の高電圧の刺激により疼痛の軽減や治癒を促進します
ブロック注射:
エコーを用いて正確に注射します
手術:
上記の効果がない場合や筋力低下が認められる場合に検討します

頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)

頚部で脊髄が圧迫される疾患です。肩、上腕、前腕、手指などの上肢痛やしびれがでます。握力が低下したり、手を使った細かい仕事が不自由になるため、日常生活では食事で箸を使うのが難しくなったり、ボタンをとめるのが困難になることがあります。脊髄の圧迫により歩行障害、膀胱直腸障害などの症状があらわれることもあります。

症状

  • 肩、上腕、前腕、手指のしびれ
  • 握力の低下や箸を使う、ボタンを留めるなど、細かい作業がやりづらい巧緻運動障害
  • つっぱったような歩き方、ギクシャクした歩き方になる歩行障害
  • 膀胱直腸障害

治療

  • 定期的に症状の進行がないかチェックします
  • 歩行障害や膀胱直腸障害が出現した場合は手術を検討します

頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)※肩こり

頚肩腕症候群イメージ

首・肩・腕にかけて痛みやしびれが生じます。首のレントゲンやMRIなどの検査で異常がみられず、五十肩や腱板損傷といった肩の障害も否定される場合に医学的な診断としてつけられる疾患です。姿勢がよくない方や長時間同じ姿勢で作業を続ける方などに生じます。

症状

  • 腕や手が冷たくなる
  • ものが書きにくくなる
  • 脱力感
  • 腕が重く感じる
  • 運動をすると痛みが増す

治療

内服薬:
痛みや炎症を抑えます
リハビリ:
温熱療法、電気刺激療法、関節可動域改善訓練、肩のストレッチング、筋力強化訓練、肩の体操を指導します
ハイドロリリース(筋膜リリース):
筋間に薬液を注入することで症状を緩和します

肩が痛い

肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)※四十肩・五十肩

肩関節周囲炎イメージ

肩関節は身体の中で動く範囲が広いという特徴があり、骨と関節以外に筋肉、腱、靭帯、関節包などの軟部組織から構成されます。徐々に進む痛みと運動制限が特徴です。中年期以降に多くみられ、自然治癒すると思われがちですが、痛みや可動域制限が強く、症状が長引くことが多いため、早期診断・早期治療が重要です。

症状

肩関節周囲炎は炎症期、拘縮期、解凍期の三つの病期があります

炎症期:
安静時と夜間時に痛みが出て、可動域制限や動作時の痛みがある
拘縮期:
痛みが徐々に落ち着きますが、手を上げる動きや背中に手を回す動きなどの可動域制限が残る
解凍期:
可動域制限が徐々に改善し、日常生活での支障が少なくなる

治療

内服薬:
痛みや炎症を抑えます
リハビリ:
可動域訓練や自主練習を指導します
関節内注射:
エコーを用いて正確に注射します

肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)

腱板とは肩の関節を安定させる働きをもつ4つの筋肉の総称です。この筋肉の一部は使い過ぎによってすり切れることがあります。また老化によっても腱が弱くなり切れやすくなります。断裂型には完全断裂と不全断裂があり、若い方は投球肩で不全断裂が起こることがあります。一方、日常生活の動作の中で断裂が起きることもあり、中年期以降の男性の右肩に症状がでることが多いことから、肩の使いすぎが原因となっていることが推測されます。

症状

  • 肩があがらなくなり、夜間や早朝に痛みで目が覚める
  • 関節のバランスが崩れるため力が入らず、腕があがらない

治療

内服薬:
痛みや炎症を抑えます
リハビリ:
肩周囲の筋肉を和らげ肩を上がりやすくします
関節内注射:
腱板の変性防止目的にヒアルロン酸を注射します
※切れた腱板は自然に修復しません
ステロイド注射:
痛みや炎症をおさえます
手術:
保存療法で効果が出ないときに検討します